医薬品メーカーでもあるサラヤが感染予防研究に長年努めるなかで着目したのが、ほ乳類の免疫成分ラクトフェリンです。ラクトフェリンといえば「飲む」イメージが強かったころに、ラクトフェリンのすぐれたスキンケア効果を発見。床ずれによる感染症予防にラクトフェリンを用いたところ、肌細胞を修復するという高いスキンケア効果を確認できました。これが肌のメカニズム追究と美肌効果の実験データに基づく「ラクトフェリンスキンケア」開発の出発点です。
未知なる可能性を秘めたラクトフェリンは、世界の研究者から大きな注目を集めています。サラヤは2008年、星薬科大学との共同研究により、傷ついた細胞を修復するラクトフェリンの機能を日本ラクトフェリン学会の学術集会で発表。大きな反響を得ました。スキンケア効果を高めるには純度、濃度などが大きく影響します。2011年からは、カルフォルニア大学デービス校との共同で、ラクトフェリンスキンケアの研究を深めていきました。
ラクトフェリンを肌へ安全かつスムーズに浸透させることは、研究の重要なポイントでした。そこでサラヤは、100%植物由来の浸透促進成分「ソホロ」を開発。天然酵母がつくりだすソホロは、カプセル状になってラクトフェリンを包みこみ、肌の奥に届ける※役割を果たし、さらにラクトフェリンの浸透を約2倍に高めることがわかりました。このラクトフェリンとソホロが可能にした技術、「浸透型ラクトフェリン」の研究は、さらに高みをめざしています。
※角質層まで
感染予防に貢献する薬用石けん液をはじめ、医療現場で用いられる手指消毒剤など、感染予防研究に長年努めてきたサラヤ。
感染対策には免疫が深くかかわることから、ほ乳類の初乳に多く含まれるなど、免疫機能と密接にかかわり、免疫機能を高める新成分ラクトフェリンに着目。
皮膚感染症による治りにくい創傷を研究する過程で「傷ついた肌にラクトフェリンを塗り、修復効果を検証する」という、まったく新しい研究に着手。床ずれによる感染症予防を目的にラクトフェリンを用いたところ高い効果を認め、皮膚科学へ応用するきっかけとなりました。
星薬科大学の輪千浩史教授との共同研究で、傷ついた表皮細胞モデルにラクトフェリン高濃度液を塗布したとき、48時間以内に表皮細胞が傷を修復しはじめることを発見。第3回日本ラクトフェリン学会賞を受賞しました。
※日本ラクトフェリン学会 第3回学術集会にて発表
ラクトフェリン研究の世界的権威者Dr.ロネダールを中心とした研究チームとともに、ラクトフェリンスキンケアの効果実証を進め、新たな可能性を探求し続けています。
初代所長には、カリフォルニア大学デービス校でラクトフェリン博士号取得した世界的エキスパート、鈴木靖志氏が就任。ラクトフェリン配合のジェルセラムでモニター調査を実施し、肌のハリや弾力が改善されるという測定結果を得ました。
肌のハリや弾力を保つために重要なコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンをつくり出している細胞に、ラクトフェリンが浸透し、細胞を活性化するという研究結果を発表。
※第11回国際ラクトフェリン学会にて発表
ラクトフェリンがメラニン生成因子を減らすこと、ビタミンCの2倍以上の美白効果があることを発表しました。
※日本ラクトフェリン学会 第6回学術集会にて発表
すでにできてしまったメラニン生成因子をラクトフェリンが分解する効果があることを確認。2014年に引き続き、美白の研究成果として発表しました。
※第12回国際ラクトフェリン会議にて発表
肌のハリと弾力を高める成分エラスチンの量を高めるという、ラクトフェリンのもつメカニズム解明。
※日本ラクトフェリン学会 第7回学術集会にて発表
鉄を多く含む、ピンク色ラクトフェリンには、エラスチンの量を高める効果があることを解明。鉄の含有量が多いほど、肌のハリ、タルミ改善の効果が見込めることを発表しました。
左から「Apo-bLf(アポ型):鉄を含まないラクトフェリン、bLf、Holo-bLf(ホロ型):鉄を含むラクトフェリン」
※日本ラクトフェリン学会 第8回学術集会にて発表
鉄を多く含む、ピンク色ラクトフェリンの機能を失うことなく、化粧品ジェルセラムに安定配合し、スキンケアを実現することに成功したことを発表しました。
※日本ラクトフェリン学会 第9回学術集会にて発表
バイオサーファクタントであるソホロースリピッド(SL)とラクトフェリンを組み合わせることで、ラクトフェリンの皮膚への浸透性が向上することを発表しました。
ラクトフェリンが活性酸素発生因子を抑制し、酸化ストレスから細胞を保護することで、メラニンの生成を抑制する可能性があることを発表しました。
※日本ラクトフェリン学会 第10回学術集会にて発表
ラクトフェリンのメラニン生成抑制メカニズムの研究結果を報告しました。ラクトフェリンがメラニン生成関連遺伝子の発現を抑制し、酸化ストレスから細胞を保護することで、メラニンの生成を抑制している可能性があることが分かりました。
※ラクトフェリンフォーラム2023にて発表